お知らせモジュールを存分に活用中の長谷川さんが、新しい援農企画の情報をアップするのを楽しみにしているのは、生活クラブ組合員のみではない。最近では、検索エンジンによって同Webサイトを発見する人もいるという。
「昨年、沖縄でのサトウキビ収穫体験参加者を募集したんですけど、そのときにも検索でひっかかったことがきっかけで申し込みしてくださった方がいたんですよ。Webサイト開設前は、企画のお知らせはすべて組合員のみにfaxで送信していたのですが、その手法のままだったらこんなすばらしい出会いはなかったと思うとうれしい効果ですね」
Faxの送信以外にも手作業は減った。データベースを導入したことで、Excelでの会員管理が不要になったのだ。<データベースを利用するようになってからは、企画ごとの参加者をぱっと拾い出せるので、管理が楽になりました。それに、通信費や紙代をおさえられたことも大きなメリットですね。たとえば、新しい企画の参加者を募集する際も、メルマガ機能を利用すればいいわけですから」
実際、長谷川さんがもっとも頻繁に使っているのがメルマガ機能で、企画ごとの参加者をグルーピングして利用することも多いという。
「参加者に伝えたいことを、ひとりひとりにfaxで送信しなくてよくなったことでだいぶ負担が減りました。メルマガには、“今回の参加者は何人です”“企画に参加した感想を送ってくださいね”などのメッセージを載せているんですけど、infoCMSを使うと、メルマガ本文の頭部分に、ひとりひとりに宛てて“○○様”って出るでしょう?あれが私すごく気に入っているんです。“各位”って書かれたメールだと、受け取った人が、自分宛てだって思わないですもんね。“○○様今回はこんな企画があるけど参加しませんか?”っていうお誘いのメールがきたら、じっくり内容まで目を通そうという気になりますよね」
メルマガひとつ発行するにしても、それを受け取った会員の表情にまで想像を巡らせながら作業を進める。農業が行われている産地と都会とをつなぐパイプ役として、ひとりでも多くの人に、安全でおいしい食物をつくることの大切さ、大変さ、そしてすばらしさを知ってもらいたいと思うからだ。
「Webサイトを開設したことで、私たちが発信できることも、発信したいと思うことも格段に増えました。そして常にその根底にあるのが、都会の消費者と田舎の生産者が共存共栄できる世の中を作りたいとの思いです」
そのために、今はとにかく、たくさんの人にWebサイトを訪問してもらうことが目標のひとつだ。検索でひっかかりやすいよう情報をたくさん盛り込むこともしかり、親しみやすいデザインで人目を引くこともしかりだ。
「Webサイトのデザインはインフォネットさんにお願いしました。農業を応援している団体っていくつかあるので、そういうところのデザインを参照して、あたたかいイメージで仕上げてくださいと依頼したところ、想像通りのものを制作してくださって大変満足しています」
活動開始ほどなくしてWebサイト制作に着手し、Webサイト上でさまざまな新しい企画を発表してきた夢都里路くらぶにとって、infoCMSおよびインフォネットは、もはやなくてはならないパートナーだ。今後も、プロジェクト発展にともない、CMSをさらにうまく使いこなして農業を応援していきたいと長谷川さんは話す。
「現状、援農体験に応募できるのは大人のみなんですけど、“子どもも一緒に連れていきたいから、家族みんなで参加できる企画を用意して!”という声がたくさんありますし、これからは親子で参加できる体験も考えなければなと思っています。たとえば、旅行会社とタッグを組んで農業体験ツアーなんていうのもおもしろいと思いますし。そうなれば、Webサイトに掲載することがもっともっと増えてくることになりますし、提携先のページからうちを辿ってきてくれる人も出てきますよね。そのとき初めてうちのWebサイトを訪れてくれた人に興味を持ってもらえるよう、情報量もさらに増やしていきたいですね」
プロジェクト開始からわずか数年で、会員数を5倍にまで増加させた夢都里路くらぶだからこそ、数々のアイディアが具現化する日が遠くないのは明らかだ。都会で働く人、田舎で農作業を行う人の双方が同じ意識を持ち、さらなる食の安全・食の楽しさを追求できる未来のために、今日も夢都里路くらぶは、心と心をつなぐあたたかな企画を構想している。